ボウリング 両手投げにトライしようと思っている方へ

ボウリング 両手投げをしてきた経験から

苦戦につぐ苦戦②

両手投げで「回転を多くすること」は容易にできる。カップリストができなかったり、体が固い俺でもある程度の高回転は簡単にできた。

だが、「球速を上げる」ということに関しては苦戦する人が多いと思う。ステップの勢いをボールに上手く伝えるのは当然のことだが、全体的な動きを素早くすることがボウリングの球速を上げる最短ルートだといえる。単純に言えば、助走を高速にし、腕や背筋によるスウィングを高速にすれば高速球を投げることができる。だが、当然動きを速くすれば、「乱れ」も多くなる。球速は上がったが、狙ったところに通すというボウリングの大前提といえるコントロールに正確さがなくなっては元も子もなくなってしまう。その辺りのバランス点を見つけるのは人それぞれのやり方があるといえるだろう。

よく筋肉には「速筋」と「遅筋」があるというが、それ以前に多くの人にとって、「筋肉があると、それを素早く動かすことが困難になる」。必要な筋肉がないとアスリートとしての効果的な動きはできない。だが、はげしい運動を繰り返すと「不必要な筋肉」までついてしまうものである。欲しいところだけというわけにはなかなか行かないものだ。たとえば、三角筋をつけるための運動をしたとしても、広背筋までついてしまう。その広背筋も役立つスポーツをしているのなら良いのだが、広背筋が邪魔になるスポーツだとしたら、それは「重く不要なもの」となってしまう。

スポーツ歴から40代も後半にしては筋肉量がある俺だが、「両手投げをする上では無駄になる筋肉まである」といえる。これが俺の場合、素早いスウィングを邪魔している。球速を上げるために、スウィングスピードも上げたいのだが、腕の振りは速くならない。当初は予想できなかった苦戦要素である。

ある女性の両手投げアマチュアボウラーが知りあいにいるが、その方は女性にしては、肩の筋肉がある。おそらくそれゆえだろうが、スウィングスピードが遅めで球速もその通りである。曰く「ボウリングしていたら、体重は変わらないのに体脂肪は減った」とのこと。本来それは健康的には良いことなのだが、両手投げにおいては良いこととはいえない状態になっている。

両手投げボウラー仲間に、「球速が以前より落ちた」という方がいるが、それも猛練習がゆえに、両手投げに必要がない筋肉までついてしまった可能性がある。

両手投げに必須なだけの柔らかい筋肉をつけるのは困難だ。それ以上のモノがあっては、引きずったままの自分へのブレーキを加えてしまうことになる。しなやかで両手投げにおける自然体の筋肉を持つベルモンテに迫るのは極めて困難なことだ。